これらの数列はさまざまな分かりやすい性質を持っており,初項から第
等差数列の和の公式は前回の記事で説明したので,この記事では
- 等比数列の和の公式と具体例
- 等比数列の和の公式の導出
- 等比数列の和の公式の補足
を順に説明します.
「数列」の一連の記事
等比数列の和の公式と具体例
等比数列の和の公式は
- 公比
が の場合 - 公比
が の場合
の2種類ありますが,
具体例から使い方を見てみましょう.
具体例1(公比 が の場合)
初項3,公比1の等比数列
上の公式の
である.
このように,公比が
具体例2(公比 が の場合)
等比数列
等差数列
よって,この数列の初項から第50項までの和は
である.
等比数列の和の公式の導出
それでは公式を導出しましょう.
公比 が の場合
です.よって,初項から第
となりますね.
公比 が の場合
まず,和を
です.両辺に
となります.この右辺は
と変形できるので,
が成り立ちます.両辺を
が得られます.
等比数列の和の公式の補足
基本が押さえられれば,以下のことにも注意できるようになると一層良いでしょう.
因数分解から の場合の公式を求める
実際,実数
と因数分解できます.これを知っていれば,
となり,両辺に
が得られます.
先ほどの導出と本質的には同じです.
公比 が1より大きいか小さいかで対応する
公比が
ですが,右辺の分母と分子に
とも表せます.これらを
の場合には の場合には
で使い分けると,いずれも分母は正の数となりますね.
このように,公比が1より大きいか小さいかで公式の形を使い分ければ,計算が少し見通しよくなります.
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