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数列の基本6|等差×等比の和

前の記事「数列の基本5 ―部分分数分解を用いて計算する数列の和―」の続きです.

例えば,3,5,7,9,\dotsは等差数列で,2,6,18,54,\dotsは等比数列ですから,

3\times2,5\times6,7\times18,9\times54,\dots

 は等差数列,等比数列の各項で積を取った数列です.このような数列の第nまでの和はnを使って表すことができます.

このような「等差×等比の数列の和」は頻出で,是非ともできるようになっておくことが望まれます.

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等差×等比の数列

この「等差×等比の数列」という言葉は私の造語ですが,この記事ではこの言葉を用いることにします.冒頭でも書いたように,「等差×等比の数列」とは,例えば次のような一般項をもつ数列の和を指しています.

  1. a_1=1\times1,a_2=2\times2,a_3=3\times4,a_4=4\times8,\dots
  2. a_1=2\times1,a_2=5\times(-3),a_3=8\times9,a_4=11\times(-27),\dots
  3. a_1=7\times27,a_2=5\times9,a_3=3\times3,a_4=1\times1,\dots

一般的書けば,等差数列\{b_n\}と等比数列\{c_n\}があって,一般項がa_n=b_nc_nとなっている数列\{a_n\}のことを「等差×等比の数列」と呼んでいます.

この記事はこのような数列の和を求めます.

「等差×等比の数列の和」の求め方

上に挙げた3つの数列の和を考えます.自分の手を動かして自分でも解いてみてください.この和は公式を覚えるのではなく,導出方法から考えて覚えるようにしてください.

例1

数列a_1=1\times1,a_2=2\times2,a_3=3\times4,a_4=4\times8,\dotsの第n項までの和\sum\limits_{k=1}^{n}a_kを求めます.

まず,第n項までの和をS_nとおきます.すなわち,

S_n=1\times1+2\times2+3\times4+4\times8+\dots+n\times2^{n-1}

です.この等比数列の部分は1,2,4,8,\dotsなので,公比2ですから,S_n2をかけて,

2S_n=1\times2+2\times4+3\times8+4\times16+\dots+n\times2^n

となります.よって,S_n-2S_nを計算すると,

\begin{matrix} &S_n&=&1\times1&+&2\times2&+&3\times4&\\ -)&2S_n&=&&&1\times2&+&2\times4&\\ \hline &S_n-2S_n&=&1&+&2&+&4& \end{matrix} \begin{matrix} +\dots+&n\times2^{n-1}&&\\ +\dots+&(n-1)\times2^{n-1}&+&n\times2^n\\ \hline +\dots+&2^{n-1}&-&n\times2^n \end{matrix}

すなわち,

-S_n=1+2+4+8+\dots+2^{n-1}-2^{n}n

となります.この右辺の初項から第n項までは,初項1,公比2の等比数列の和になっているので,等比数列の和の公式から,

1+2+4+8+\dots+2^{n-1}=\dfrac{2^n-1}{2-1}=2^{n}-1

です.(参考記事:数列の基本2 ―等差数列と等比数列の和の公式―)よって,

-S_n=(2^{n}-1)-2^{n}n=2^{n}(1-n)+1

が得られます.もともと,第n項までの和をS_nとおいていたので,

\displaystyle\sum_{k=1}^{n}a_k=2^{n}(n-1)+1

となります.

例2

数列a_1=2\times1,a_2=5\times(-3),a_3=8\times9,a_4=11\times(-27),\dotsの第n項までの和\sum\limits_{k=1}^{n}a_kを求めます.

まず,第n項までの和をS_nとおきます.すなわち,

S_n=2\times1+5\times(-3)+8\times9+11\times(-27)+\dots+(3n-1)\times(-3)^{n-1}

です.この等比数列の部分は1,-3,9,-27,\dotsなので,公比は-3ですから,S_n-3をかけて,

-3S_n=2\times(-3)+5\times9+8\times(-27)+11\times81+\dots+(3n-1)\times(-3)^n

である.よって,S_n-(-3)S_nを計算すると,

\begin{matrix} &S_n&=&2\times1&+&5\times(-3)&\\ -)&(-3)S_n&=&&&2\times(-3)&\\ \hline &4S_n&=&2&+&3\times(-3)& \end{matrix} \begin{matrix} +\dots+&(3n-1)\times(-3)^{n-1}&&\\ +\dots+&(3n-4)\times(-3)^{n-1}&+&(3n-1)\times (-3)^n\\ \hline +\dots+&3\times(-3)^{n-1}&-&(3n-1)\times (-3)^n \end{matrix}

すなわち,

4S_n=2+3\left((-3)+9+\dots+(-3)^{n-1}\right)+(-3)^{n+1}n+(-3)^n

となります.この右辺の第2項のカッコの中身は,初項-3,公比-3の等比数列の和になっているので,等比数列の和の公式から,

(-3)+9+\dots+(-3)^{n-1}=(-3)\dfrac{1-(-3)^{n-1}}{1-(-3)}=\dfrac{-3-(-3)^{n}}{4}

です.よって,

4S_n
=2+\dfrac{-9+(-3)^{n+1}}{4}+(-3)^{n+1}n+(-3)^n
=-\dfrac{1}{4}+\left(\dfrac{1}{4}+n\right)(-3)^{n+1}+(-3)^n

が得られます.もともと,第n項までの和をS_nとおいていたので,

\displaystyle\sum_{k=1}^{n}a_k=-\dfrac{1}{16}+\dfrac{1+4n}{16}(-3)^{n+1}+\dfrac{1}{4}(-3)^n

となります.

例3

数列a_1=7\times27,a_2=5\times9,a_3=3\times3,a_4=1\times1,\dotsの第n項までの和\sum\limits_{k=1}^{n}a_kを求めます.

まず,第n項までの和をS_nとおきます.すなわち,

S_n=7\times27+5\times9+3\times3+1\times1+\dots+(-2n+9)\times\left(\dfrac{1}{3}\right)^{n-4}

です.この等比数列の部分は27,9,3,1,\dotsなので,公比は\dfrac{1}{3}ですから,S_n\dfrac{1}{3}をかけて,

\frac{S_n}{3}=7\times9+5\times3+3\times1+1\times\dfrac{1}{3}+\dots+(-2n+9)\times\left(\dfrac{1}{3}\right)^{n-3}

である.よって,\frac{S_n}{3}-S_nを計算すると,

\begin{matrix} &\frac{S_n}{3}&=&&&7\times9&\\ -)&S_n&=&7\times27&+&5\times9&\\ \hline &-\frac{2S_n}{3}&=&-189&+&2\times9& \end{matrix} \begin{matrix} +\dots+&(-2n+11)\times(\frac{1}{3})^{n-4}&+&(-2n+9)\times(\frac{1}{3})^{n-3}\\ +\dots+&(-2n+9)\times(\frac{1}{3})^{n-4}&&\\ \hline +\dots+&2\times(\frac{1}{3})^{n-4}&+&(-2n+9)\times(\frac{1}{3})^{n-3} \end{matrix}

すなわち,

-\dfrac{2S_n}{3}=-189+2\left\{9+3+\dots+\left(\dfrac{1}{3}\right)^{n-4}\right\}+(-2n+9)\left(\dfrac{1}{3}\right)^{n-3}

となります.この右辺の第2項のカッコの中身は,初項9,公比\dfrac{1}{3}の等比数列の和になっているので,等比数列の和の公式から,

9+3+\dots+\left(\dfrac{1}{3}\right)^{n-4} =9\times\dfrac{1-(\frac{1}{3})^{n-1}}{1-\frac{1}{3}} =\dfrac{27\{1-(\frac{1}{3})^{n-1}\}}{2}

です.よって,

-\dfrac{2S_n}{3}
=-163-27\left(\frac{1}{3}\right)^{n-1}+(-2n+9)\left(\dfrac{1}{3}\right)^{n-3}
=-162-3\left(\frac{1}{3}\right)^{n-3}+(-2n+9)\left(\dfrac{1}{3}\right)^{n-3}
=-162+(6-2n)\left(\dfrac{1}{3}\right)^{n-3}

が得られます.もともと,第n項までの和をS_nとおいていたので,

\displaystyle\sum_{k=1}^{n}a_k=243+(n-3)\left(\frac{1}{3}\right)^{n-4}

となります.

まとめ

求め方のポイントをまとめます.

  1. n項までの和をS_nとおく.
  2. 等比数列の部分の公比rS_nにかけて,rS_nをつくる.
  3. S_n-rS_n(またはrS_n-S_n)を一つずつ項をずらして計算する(どちらでも良いが,引き算した時に+が多く出てくる方が計算ミスをしにくい).
  4. (1-r)S_n(または(r-1)S_n)の式の一部に等比数列の和が出てくるので,等比数列の和の公式を使ってまとめる.
  5. 両辺を1-r(またはr-1)で割る.

「等差×等比の数列の和」はどうしても答えが煩雑になりがちです.ですから,検算で答えを確認することも重要です.

第2項まで計算して一致していれば,だいたい合っていると判断しても大丈夫ですが,可能なら第3項までは検算したいところです.

漸化式の記事「漸化式の基本1 ―漸化式の導入―」に続きます.

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