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図形と方程式の基本3|直線の方程式の導出

前の記事「図形と方程式の基本2|直線の方程式」の続きです.

前の記事では,xy平面上の一般の直線の方程式がax+by+c=0 (abの少なくとも一方は0でない)で表せることを説明しました.

この記事では,条件が与えられたときの直線の方程式の導出法について説明します.

  1. 直線の「傾き」と「通る1点」が分かっている場合
  2. 直線がy軸に平行な場合
  3. 直線がx軸に平行な場合

の3つが基本的な場合で,これらの場合には,直線の方程式は直ちに求められます.ほかの場合は,この3つのいずれかに帰着させて考えます.

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直線の方程式の導出

xy平面上の直線について,いくつかさまざまな条件が与えられているとき,直線の方程式を求めることができます.

その最も基本的なものは,「傾き」と「通る1点」が分かっている場合です.まず,念のため,直線の傾きについて説明しておきます.

xy平面上の直線ly軸に平行でないとする.このとき,直線l上の2点(x_1,y_1)(x_2,y_2)に対して,

\dfrac{y_2-y_1}{x_2-x_1}

を直線lの傾き(または変化の割合)という.

なお,直線なので2点をどのようにとっても傾きは一定です.

「傾き」と「通る1点」が分かっている場合

この場合は直線の方程式は簡単に導出できます.

[公式] xy平面上の直線lは傾きがmであり,点(x_1,y_1)を通るとき,この直線lの方程式は次で表される.

y-y_1=m(x-x_1)

これは非常に重要です.そして,この式は非常に簡明に意味付けして理解できますから,丸暗記するのは良くありません.

中学校で習ったと思いますが,y軸に平行でない直線を平行移動しても傾きは変わらない,というものがあります.これを思い出せば,上の式は次のように解釈できます.

[解釈]

傾きmで原点を通る直線はy=mxと表されます.この直線をx軸方向,y軸方向にちょうどx_1y_1だけ平行移動させると,(x_1,y_1)を通る.

この平行移動後の直線はxyをそれぞれy-y_1x-x_1に置き換えれば良いから,

y-y_1=m(x-x_1)

となる.

[解釈終]

1つ問題があるとすれば,「直線をx軸方向,y軸方向にちょうどx_1y_1だけ平行移動させると,平行移動後の直線の方程式はxyをそれぞれy-y_1x-x_1に置き換えれば良い」という部分でしょうか.

これは直線だけでなく,xy平面上の全ての方程式について言えることで,実は次の定理が成り立ちます.

[定理] xyの方程式f(x,y)=0について,f(x,y)=0のグラフをx軸方向,y軸方向にちょうどx_1y_1だけ平行移動させたグラフの方程式は,f(x-x_1,y-y_1)=0である.

これは非常に重要です.たとえば,

  1. 放物線y=2x^2x軸方向,y軸方向にそれぞれちょうど23だけ平行移動させたグラフの方程式はy-3=2(x-2)^2
  2. 放物線y=-5x^2x軸方向,y軸方向にそれぞれちょうど2-3だけ平行移動させたグラフの方程式はy+3=-5(x-2)^2
  3. 曲線x^3-x^2y+2y=3xx軸方向,y軸方向にちょうど-12だけ平行移動させたグラフの方程式は(x+1)^3-(x+1)^2(y-2)+2(y-2)=3(x+1)

となります.これは非常に重要なので,しっかり押さえてください.

y軸に平行な場合

y軸に平行な直線は前の記事「図形と方程式の基本2|直線の方程式」でも説明したように,x=aの形で表せます.ただし,このaは通る点のx座標です.

これは,直線がy軸に平行なことから,y座標が何であってもx座標が常に一定である事を考えれば納得できると思います.

たとえば,

  1. y軸に平行な直線が点(1,2)を通るとき,直線の方程式はx=1です.
  2. y軸に平行な直線が点(100,\pi)を通るとき,直線の方程式はx=100です.
  3. y軸に平行な直線が点(1.58+\sqrt{2},12.3+\sqrt{3})を通るとき,直線の方程式はx=1.58+\sqrt{2}です.

このように,直線がy軸に平行な場合は,yを無視して通る点のx座標がそのまま直線の方程式に出てきます.

x軸に平行な場合

これは「y軸に平行な場合」をx軸のパターンに変えれば良いです.

たとえば,

  1. x軸に平行な直線が点(1,2)を通るとき,直線の方程式はy=2
  2. x軸に平行な直線が点(100,\pi)を通るとき,直線の方程式はy=\pi
  3. x軸に平行な直線が点(1.58+\sqrt{2},12.3+\sqrt{3})を通るとき,直線の方程式はy=12.3+\sqrt{3}

このように,「y軸に平行な場合」と同様に考えることができます.

ただし,この「x軸に平行な場合」は「傾きが0」なので,「『傾き』と『通る1点』が分かっている場合」に帰着させて考えることもできますが,x軸に平行であると分かった時点で「x軸に平行な場合」の考え方を使った方が楽です.

その他の場合

上で書いた

  1. 直線の「傾き」と「通る1点」が分かっている場合
  2. 直線がy軸に平行な場合
  3. 直線がx軸に平行な場合

以外の場合です.このときは,上の1~3のいずれかに帰着させて考えます.

つまり,

  1. 「傾き」と「通る1点」を求めて1に帰着させる
  2. 直線がy軸に平衡であることを示して2に帰着させる
  3. 直線がy軸に平衡であることを示して3に帰着させる

のいずれかの方法をとることで,直線の方程式が求まります.

ですから,直線の方程式を問われたときに我々がすべきことは,「傾き」と「通る1点」を求めること,です.あとは「『傾き』と『通る1点』が分かっている場合」で説明した[公式]を使えば瞬時に導出されます.

1に関して,次の考えは意識しておくと便利です.

[よく使う考え] xy平面上の直線lについて,直線lが通る2点が分かれば,直線の傾きが得られる.したがって,直線lの方程式が分かる.

たとえば,直線lが2点(-1,2)(1,-4)を通るとすると,傾きは

\dfrac{-4-2}{1-(-1)}=-3

です.いま,直線lは1点(-1,2)を通るから,[公式]より直線ly-2=-3(x+1)となります.

なお,いまは[公式]を使うために「通る1点」として(-1,2)を使いましたが,(1,-4)を使ってy+4=-3(x-1)としても問題ありません.展開すると,どちらも同じ式になることが分かりますので,確かめてみてください.

このように,「『傾き』と『通る1点』を求めれば,直線の式が分かる」ということを意識しておけば,直線の方程式は何ら怖いことはありません.

例題

理論に頷くだけではなく,実際の自分で手を動かして,具体的な問題を考える訓練も必要です.

例1

傾き2で点(1,3)を通る直線を求めよ.

[公式]より求める直線はy-3=2(x-1)だから,展開して整理して

    \[y=2x+1\]

である.

例2

y軸に平行で点(1,5)を通る直線を求めよ.

y軸に平行な直線だから,直線上のy座標によらずx座標は常に1である.よって,x=1である.

例3

x軸に平行で点(1,5)を通る直線を求めよ.

x軸に平行な直線だから,直線上のx座標によらずy座標は常に1である.よって,y=5である.

例4

2点(1,3)(-1,-1)を通る直線を求めよ.

直線の傾きは\dfrac{3-(-1)}{1-(-1)}=2である.この直線は点(1,3)を通るから,[公式]よりy-(-1)=2\{x-(-1)\}だから,展開して整理してy=2x+1である.

なお,通る点を(-1,-1)としても,[公式]よりy-3=2(x-1)だから,展開して整理してy=2x+1となって,確かに同じ答えが得られる.

例5

2点(1,3)(1,-1)を通る直線を求めよ.

x座標が常に1の直線だから,x=1である.

例6

2点(1,3)(-1,3)を通る直線を求めよ.

y座標が常に3の直線だから,y=3である.

次の記事「図形と方程式の基本4|2直線の関係」に続きます.

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