数列2
等差数列の和の公式を直感的に理解する方法

数列
数列

前回の記事でも説明したように,数列の中でも

  • 等差数列
  • 等比数列

は考えやすく,一般項も簡単に求められるのでした.

数列$\{a_n\}$に対して,初項$a_1$から第$n$項$a_n$までの和

   \begin{align*}a_1+a_2+a_3+\dots+a_{n-1}+a_n\end{align*}

を考えることはよくあり,等差数列と等比数列のこの和も簡単に求めることができます.

等比数列の和については次の記事に譲るとし,この記事では

  • 等差数列の和の公式
  • 等差数列の和の直感的な理解
  • 等差数列の和の具体例
  • 等差数列の和の公式の導出

を順に説明します.

等差数列の和

早速,等差数列の和の公式を紹介します.

初項$a$,公差$d$の等差数列の初項から第$n$項までの和$S_n$は

   \begin{align*}S_n=\frac{n\{2a+(n-1)d\}}{2}\end{align*}

である.

直感的には等差数列$\{a_n\}$に対して$a_1,a_2,\dots,a_n$は等間隔なので,全体の平均と$a_1,a_n$の平均が等しいです.

よって,全体の和$S_n$は$a_1,a_n$の平均の$n$倍に等しく,

   \begin{align*}S_n=&\frac{a_1+a_n}{2}\times n \\=&\frac{a+\{a+(n-1)d\}}{2}\times n \\=&\frac{n\{2a+(n-1)d\}}{2}\end{align*}

と分かりますね.

分子の$2a+(n-1)d$が

  • 初項$a_1=a$
  • 第$n$項$a_n=a+(n-1)d$

の和だという認識をもてれば,間違えることはありませんね.

具体例1

初項$1$,公差$1$の等差数列$1,\ 2,\ 3,\ 4,\dots$の初項から第$n$項までの和を$n$で表せ.

上の公式の$a=1$, $d=1$の場合なので,

   \begin{align*}1+2+3+\dots+n=\frac{n(n+1)}{2}\end{align*}

である.

直感的には初項の$1$から第$n$項の$n$までの平均が$\dfrac{n+1}{2}$で,全部で$n$項足し合わせているから

   \begin{align*}n\times\frac{n+1}{2}=\frac{n(n+1)}{2}\end{align*}

と理解できますね.

具体例2

等差数列$3,\ 7,\ 11,\ 15,\ 19,\dots$の初項から第$50$項までの和を求めよ.

等差数列$3,\ 7,\ 11,\ 15,\ 19,\ \dots$は初項$3$,公差$4$の等差数列だから上の公式の$a=3$, $d=4$の場合である.

よって,この数列の初項から第$50$項までの和は

   \begin{align*}&\frac{50(2\times3+(50-1)\times4)}{2} \\=&50(3+49\times2) \\=&150+49\times100 =5050\end{align*}

である.

直感的には初項の$3$から第$50$項の$3+49\times4$までの平均が$\frac{3+(3+49\times4}{2}$で,全部で$50$項足し合わせているから

   \begin{align*}50\times\frac{3+(3+49\times4}{2}\end{align*}

と理解できますね.

等差数列の和の公式の導出

先ほどの直感的な公式の導出と本質的には同様ですが,もう少しきちんと導出しておきましょう.

(再掲)初項$a$,公差$d$の等差数列の初項から第$n$項までの和$S_n$は

   \begin{align*}S_n=\frac{n\{2a+(n-1)d\}}{2}\end{align*}

である.

初項$a$,公差$d$の等差数列を$\{a_n\}$とすると,初項$a_1$から第$n$項$a_n$までの和$S_n$は

   \begin{align*}S_n=&a_1+a_2+a_3+\dots+a_n \\=&a+(a+d)+(a+2d)+\dots+\{a+(n-1)d\}\end{align*}

である.また,これとは逆順に第$n$項$a_n$から初項$a_1$まで足すと考えれば,

   \begin{align*}S_n=\{a+(n-1)d\}+\{a+(n-2)d\}+\{a+(n-3)d\}+\dots+a\end{align*}

でもある.よって,この2式の辺々を足せば,

   \begin{align*}\begin{matrix}&S_n&=&a&+&\dots&+&\{a+(n-1)d\}\\ -)&S_n&=&\{a+(n-1)d\}&+&\dots&+&a\\ \hline &2S_n&=&2a+(n-1)d&+&\dots&+&2a+(n-1)d\end{matrix}\end{align*}

となる.

このとき,右辺は$2a+(n-1)d$が$n$個足されているので,

   \begin{align*}&2S_n=n\{2a+(n-1)d\} \\\iff&S_n=\dfrac{n\{2a+(n-1)d\}}{2}\end{align*}

を得る.

いまの導出は$a$, $d$が正の整数の場合は次のようにブロックの個数を考えることで理解できます.

$S_n$は以下のブロックの総数に等しいですね.

Rendered by QuickLaTeX.com

$S_n$の和の順を逆にしたものと足し合わせたものは,ブロックを逆さまにして

Rendered by QuickLaTeX.com

と併せたブロックの個数は$n\times\{2a+(n-1)d\}$です.よって,求める$S_n$はこの半分で

   \begin{align*}\frac{n\{2a+(n-1)d\}}{2}\end{align*}

となりますね.

管理人

プロフィール

山本やまもと 拓人たくと

元予備校講師.講師として駆け出しの頃から予備校の生徒アンケートで抜群の成績を残し,通常の8倍の報酬アップを提示されるなど頭角を表す.

飛び級・首席合格で大学院に入学しそのまま首席修了するなど数学の深い知識をもち,本質をふまえた分かりやすい授業に定評がある.

現在はオンライン家庭教師,社会人向け数学教室での講師としての教育活動とともに,京都大学で数学の研究も行っている.専門は非線形偏微分方程式論.大学数学系YouTuberとしても活動中.

趣味は数学,ピアノ,甘いもの食べ歩き.

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